コンビニのATM
January 27, 2000
仕事帰りに数あるコンビニのひとつAMPMによったところ、さくら銀行のATMがお店におかれていた。
レジのお勘定を待っている間に機械をながめると、さくら銀行のキャッシュカードならば夜の11時まで現金の引出しができるようだ。(ちなみに小さく住友銀行のカードも提携手数料なしで使えますと書いてあった。)
さくら銀行はさくらファイナンスの利払いをコンビニで始めたりなどコンビニでのリーテール戦略では他の銀行を一歩リードしているように思う。とは言え、さくら銀行のマシンを見ながら思ったのは、ちょうど10年前に私がアメリカで暮らしていたときのことだ。その当時から既にアメリカのATMは24時間稼動していた。車社会のアメリカならではのドライブスルーATMなどもあり、学校の図書館帰りに車で立ち寄ってお金を引き出していた記憶がよみがえる。
日本の銀行はやっと10年経って当時のアメリカの銀行サービスにすこしは近づいたようだ。(しかし、小切手社会のアメリカの24時間ATMサービスと現金社会の日本の23時までのサービスを比較すれば、いまだ足元にも及ばないという考え方もある。)
シティーバンクが日本に上陸し24時間バンキングをしたときのセンセーションは今でも忘れられないし、私もシティーバンクの愛用者である。私はたまたま生活圏の近所に3箇所ほどATMがあるので重宝しているが、それでもそんなに近いわけではない。しかし、24時間現金に手数料なしでアクセスできる魅力(注:一定残高以上の場合のみ)を考えれば、多少不便とは言え目をつぶろう。このサービスを享受するためだけに最低残高100万円をシティーに預けているといっても過言ではない。
これに引き換え、日本の銀行は時間外の引き出しに高い手数料を取るくせに、それもせいぜい9時ごろまでだし、サービス提供という観点から考えれば怠けているとしか言いようがない。実際にやっている銀行があるのだから技術的にできないという言い訳は通用しないはずだ。コストがかかるのならば、きっちりとそのコストを顧客に提示してそれに見合う手数料を主張すればよい。また、顧客の差別化をはかるために一定残高以上の顧客には手数料を無料にすればよい。私はよろこんでその残高を維持しようと思う。
合併だ統合だと右往左往しているうちに、本当に個人顧客のことを理解している小売業のイトーヨーカドーに個人決済業務などはあっという間にもっていかれるのが関の山ではないか?投信をむりやり売りつけるのがリーテール戦略だと思っているのならば、そう信じるがよいだろう。3年後、しまったと思ってからでは遅いのである。
私は銀行を辞めて、銀行がどれほど不便なものかを痛感した。そして、同時に今なら個人客に本当に訴求するサービスをいくらでも思いついてあげることができると思う。その業界の中にいると、どれほど思考を自由にしようと思っても限界があるのだ。ぜひ、日本の銀行もメーカー、小売業、流通業あたりからマーケティングのプロを引き抜いて、本当に顧客の視点にたったサービス提供を考えてみてはどうだろうか?