アメリカのインターネット
January 23, 1998
5ヶ月ぶりのアメリカで気がついたことがある。それはこの約半年でインターネットが普通の人の日常生活へ相当浸透したことだ。
テレビを見ているとインターネットのURLが相当頻繁に画面に登場することである。CNNのようにホームページと連動させた企画を強力に打ち出しているところもあれば、さまざまな商品のCMでも会社や商品専用のホームページURLが紹介されている。全国版のCMのみならず、ハワイの地元自動車ディーラーや商店までもが自前のホームページをCM中で紹介しているのには正直驚いた。URLだけではなく、テレビの画面でネットブラウザーを意識した画面が現れたりもしている。つい半年前にアメリカを訪れたときにはこれほどテレビでURLなどが紹介されていた記憶はない。
さらに驚いたのは何人かの現地の知り合いの子供が相当インターネットを使い込んでいるという話を耳にしたことだ。現地の知り合いといっても本当に普通の人たちで特にコンピューターが好きでしょうがないとか、コンピューター関係の仕事をしているという人たちではない。そういった人たちがまるで口裏を合わせたように子供がインターネットを自由に使うようになっているという話をしていたのにはびっくりだ。
クリントン大統領が政策の中心に据えているインターネットであるから、普及に弾みがついているのも驚くことではないのかもしれないが、何らかの理由があるからこそここまで普及するのだろう。それがなにかを考えてみた。
もっとも大きい理由としては1000ドルパソコンと市内通話均一料金が挙げられるだろう。
日本ではパソコン売り上げが減少しているというがアメリカでは1000ドルパソコンの登場でパソコン市場は沸騰している。実際にコンピューターシティーというPC専門量販店に立ち寄ってみたが、相当なスペックのパソコンがそれこそ800ドルくらいでゴロゴロ売っている。この程度の値段であれば子供専用に1台買い与えても何の不思議もない。もはやPCもテレビのように1家に1台ではなく、1人に1台の時代がアメリカでは到来しつつあるように感じる。(日本に比べれば住宅事情も良いから、置き場所に頭を悩ます必要もそれほどないだろうし・・)
またこれは昔から変わっているわけではないが、アメリカの市内通話は一定の料金(それもせいぜい3,4千円)を支払えば使い放題である。日本のように3分10円などと気をつかう必要は全くない。これはインターネットの普及にとても大きな意味を持っているだろう。極端なことを言えば数千円で新たに電話回線を引けば専用線と同じようにつなぎっぱなしにすることができてしまうのだ。
この2つがそろった結果、いつでも身近にインターネットがある環境がアメリカ中に加速的に広がったのだろう。
そういった状況を踏まえて企業側もインターネットがメディアとして十分利用する価値のあるものだと判断し、積極的にインターネットをマーケティングなどに組み入れ、インターネット上の普段の生活に密着した情報が加速度的に増加した。そして さらにそれが利用者を増やすというポジティブなスパイラルが起きてきたのがここ半年ではなかったのだろうかと感じている。
今回私が感じたアメリカにおけるインターネットの普及ぶりを日本のそれと比較すると、日本はまだまだ遅れている。パソコン自体は相当普及してきているのだから、次は電話料金の引き下げとか低額料金化がなされる必要があるだろう。まあ、3分9円東京電力系列の電話会社の登場を受け、NTTも首都圏地区における市内通話の実質引き下げととれるパッケージを導入するようだから、今後の展開が楽しみではある。