銀行業界は今
January 22, 1999
中央信託、三井信託の合併交渉が報道されたと思えば、今度は富士銀行が安田信託を子会社化するそうである。さらに東洋信託は三和銀行との連携を深めていくようだ。わずか数日の間に、日本の大手銀行をめぐる情勢は一気に変化していく。
新しい動きが起きることは素晴らしいことである。今まで、すくんで、立ち止まって、どこへも行くことができなかった日本の銀行が、方向が正しいか否かは別として、少なくとも歩き始めた。後は、その歩みの速度をどれだけ加速することができるかにかかっている。
経営はスピードである。そして、タイミングを捉えて、劇的な方針を打ち出すことが市場にとっての高い評価を得るために必要なことであろう。リストラを3~5年構想で語るなど、まったくもって愚かしい。ここで他の銀行よりも一歩でも前に進むことができた銀行が生き残るということを強く認識しなくてはならない。
資本注入でとりあえず急場をしのいだとしても、それはあくまでもカンフル剤を得たみたいなもので、引き続き病状が思わしくないのは間違いない。直ちに根治手術を実施しなくては、再度崖っぷちに立たされることになるだろう。
不要な業務の大胆な閉鎖、高収益戦略部門への特化と、前向きな投資の拡大、そしてオフィサーとクラークをきっちり区別した能力比例型の賃金体系の導入により、平均賃金の大幅引き下げと人員削減を1年以内に完了させるような発表を銀行経営者はすべきであろう。血は流されなくてはならないのだ。
今までは時間の経過は味方であった。しかし、もはや時間は完全に敵になっている。この現状を認識し、たとえはいつくばろうとも前に進む気概を持つ銀行の登場を心待ちにしたい。