< 言いたい放題会議室・目次

競売開札


ヴァレンタインデーだというのに福岡へやってきたのは、投資している不良債権の担保物件が競売にかけられ、その開札が裁判所であったからである。

開札開始の朝10時に合わせて大濠公園わきにある福岡の裁判所へと出かける。不良債権の仕事は9年近くやっているが競売の開札に参加するのは初めてであり、けっこうわくわくする。普通は後日報告される情報で開札結果を知るケースがほとんどなのだが、今回はわけあって開札に立ち会うこととなった。

開札は4階にある民事部の執行官室で行われた。てっきり開札の数が少なく、こじんまりした開札を予想していたところが、大き目の会議室一杯に折りたたみ椅子が並べられ、ほとんどそれが満席状態である。最前列が空いていたのでそこに座ると、プラスチックでできた競売事件毎に封筒を立てかけることができる大きな箱が3つもならんでいるのが目に入る。ざっと数えてみると、今日の開札は全部で75物件くらいあるようだ。これなら人が沢山来るのは無理もない。ふと後ろを振り返ってみると、座れない人たちが立ち見状態であふれている。

執行官が入札封筒をしまってあった金庫を取り出し、封筒を取り出し競売事件毎にそろえて、プラスチックの箱に差し入れていく。事件によっては全く封筒が入らないものもある。これは、今回の競売では最低競落価格が高すぎて札が入らず、落札されない事件である。全体のうち三分の一くらいはこれに該当しそうだ。残りの三分の二には封筒がささっているので、今日いくらかの値段で落札されることになる。

事件番号が若い順に執行官が挿し込んだ封筒を取り出し、開封し、入札書を金額順にそろえる。さて、開札結果の読み上げだ。「XXX株式会社、XXXX万円。・・・YYY株式会社、YYYY万円。従いまして、YYY株式会社が最高価格買受人となりました。」なるほど、すべての入札者の住所氏名と入札金額が読み上げられるわけか。条文の上では理解している手続きだが、やはり現場でライブを味わうと、知らなかったことが見えてくる。私が担当している事件まではまだ20事件ほどあるので、内容を聞いていると、やはり宅地とかマンションには入札が何札も入っている。最低価格の倍以上の金額で落札されていくものもいくつかある。もちろん、札が1つしか入らず、まさに最低価格で落札となるものもある。まさに人生の悲喜こもごもだ。

やっと私の担当事件の番になった。先ほどから遠目で封筒の数を確認して、最低でも5、6通は札が入っているのを見て安心していたのだが、やはり全部で7通の入札があった。今までと同じように淡々と執行官が入札価格を読み上げる。。。。結果、大成功!!予想以上の価格で落札された。まだまだ開札は続くが、私の仕事はこれにて完了ということで、開札会場を後にし、さっそく会社に携帯電話で落札結果を報告する。

さて、仕事も無事終わったことだし、長浜ラーメンを食べて東京へ戻ることとしよう。