リストラ事始め
March 3, 1998
銀行にはかつて大企業融資のプロと呼ばれる人がいた。
銀行の中で出世するためにはこの業務を長いこと経験しなくてはならないと言われていた。彼らは自分達が融資のなんたるかをもっとも良く知った人間であることを誇りに思っていた。取引先とゴルフをし、酒を飲み、お愛想を言うことが大企業融資ではもっとも重要な能力であると言われていた。大企業融資は銀行の花形で、彼らは肩で風を切っていた。銀行の収益を稼ぎ出しているのは自分達であると胸をはっていた。
しかし彼らはもっとも市場から遠い人たちでもあった。お金に値段がつくプロセス、リスクに値段がつくプロセスを理解しえなかった人たちが銀行の中枢に登りつめていったばかりに、日本の銀行は今世界の市場で低い価値しかつけてもらえない状況になっている。
銀行のリストラはこういった古いパラダイムに囚われた人材に高い金を払うことをやめ、常に市場とのmark to marketが可能な人材を登用していくことから始まるのではないだろうか。