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街をながめる余裕


仕事を早めに切り上げて友人と食事をするために銀座へと出かけた。平日の夜に食事に出かけるというのも久しぶりだ。いつもはオフィスで弁当やハンバーガーをかじりながら、不毛な仕事に追われているのが関の山だ。

大不況だといわれながらもまだまだ街には人があふれている。久しぶりの銀座の街はとても新鮮に私の目に映る。一緒にいた友人も私と同じような仕事をして忙しい日々を送っていることもあり、おもわず二人で「僕等が仕事をしている間、世の中にはこういった普通の暮らしがあるんだよね。なんだか悔しいなぁ」とつぶやいてしまった。

普通の暮らしから離れてしまうことは良いことではない。普通の暮らしの、普通の考え方を忘れてしまったところには真っ当なものは存在し得ない。

銀行が経営に失敗し不良債権の山を築いた。官僚が行政に失敗して景気は低迷し、行政への信頼も失墜した。政治家も国家の運営に失敗し、日本は世界中から非難を浴びている。こういった人達は自分達の世界に閉じこもってしまって、誰かが作った書類や数字を目にして、それで世の中の全てがわかってしまったと勘違いしたのではないだろうか。世の中は数式やモデルで表わせるほど簡単なものではない。

街に出て通りをながめ、道行く人の気持ちを感じ取る余裕を失ったところに今の日本が直面している失敗の原因があるように思う。常識を取り戻す余裕を持ちたいものだ。