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長銀/アメリカ


まずは、長銀の話。

不良債権の一括処理7500億円、それに伴う資本毀損分補充のため公的資金導入申請、役員、執行役員全員辞任、半年間で従業員2割削減、賞与6割カット、海外拠点全面撤退。これが今回のパッケージの主要内容。

長銀問題に代表される金融システム対策もやっと正しい方向へ動き始めた。

以前の言いたい放題でも述べたが、まず17兆円におよぶ預金保険機構の金融安定化基金の資金をできる限り19行に注入すべきだというのが私の主張。今の金融不安は、銀行の資本が十分には無いのでは?という疑念から始まっている。ならば、その疑念を払底するところから全ては始まる。17兆円で足りなければ、もっと資金枠を作って資金投入すればよい。まず、金融システムという国家経済の血管にまつわるvulunerability(脆弱感)を取り払い、confidence(信認)を作り出す。

コレステロールが溜まって動脈硬化になり血液が流れない。そこで、今までの呑みすぎ食べ過ぎなどの不摂生を反省することは当然だが、「不摂生を直すと約束しなければ、動脈硬化の治療はしないよ」という医者がいるだろうか?そんな馬鹿な話はない。まず治療ありき。

もちろん長銀方式が100%正しいとは私は思わない。

あまりにも対応が後手に回っている。もっと早く、なぜ去年の3月末の公的資金導入の時点で長銀がこういった思い切った対応ができなかったのかということは悔やまれる。市場からの退場を求められる前に、監督官庁が幕を引くのがあるべき姿である。

不摂生を行った銀行の経営陣を放置する必要はないということだ。彼らがどれほど今の地位に拘泥しようとも、徹底的にそして激烈なまでに金融検査を行い、不良資産のあぶり出しを行い、公的資金を申請せざるを得ない状況へと追い込めば良いのである。それがムチで、その後に待っているのがアメである公的資金という図式を作る。

はっきりと言おう。日本の金融システムを再生させることを阻害しているのは、自らの退職金と地位に拘泥する日本の銀行の経営陣である。あと何年彼らは日本の金融に留まるのか?それほど長いことはない。そんな人達にあと何十年も日本の金融で生きていこうと思っている多くの銀行員たちの未来を踏みにじることを許してはならない。それこそまさにモラルハザードだ。

バブル崩壊後の7年間の無為無策で、日本的終身雇用の階段を上り詰めた銀行経営陣に、銀行の未来の責任が負えないことははっきりとした。未来を築いていく者たちが自らの未来に責任を持つことが唯一の解決策であろう。

本来ならば株主が経営陣を退陣に追い込む機能を果たすのだが、残念ながら日本的コーポーレートガバナンスはそこまで機能していない。それならば、そういった幕引きに手を貸すことが日本の金融監督当局がすべきことではないだろうか?