新しい会社
October 16, 1998
普段はあまり真剣に日経新聞を読んでいないのだが、この「新しい社会」という1面の連載は楽しみにしている。今まで読んだことが無い方はこちらでまとめて読めるので立ち寄って見てもらいたい。
現在1部からはじまって5部まできている。いろいろな会社のことが語られている。ソニー、ホンダ、トヨタといった日本の超優良企業から米国の超優良企業の話、そして大手企業をスピンアウトした人達が始めた新しい企業の話。成功の話もあれば、失敗の話しもある。
しかし、その全ての底流となっているのは経営者という「人」の話である。資本主義社会の中で、国家すらも越えようとしている企業という存在。ところが、どれほど巨大になっていっても最後は「人」にもどってくる。よくオーナー企業で自分の信仰する宗教を従業員に押し付けているという話を聞くが、ある意味で企業の経営とは宗教に近いものがあるだろう。宗教という言葉が適切でなければ、「信念」あるいは「ビジョン」というものだ。逆に言えば、こういったもの無しではなりたたないほど厳しいものが企業の経営なのであろう。
それでは、果たして日本の金融機関のトップマネージメントに「信念」なり「ビジョン」なりを貫き通す優れた人材がいるのだろうか?残念ながらそういった人の名前はすぐに浮かんでこない。今までの大蔵省主導の護送船団方式のもとでは、「信念」「ビジョン」を貫き通す人材は不要であったのだろう。そして社内の人材育成もそういった点にポイントが置かれていなかったはずである。
それではどうすれば良いのか?新しいパラダイムのもとでの人材が育つのを待つのか?それは愚かな選択である。変革の時代、待つことは後退を意味する。今までの手法が通用しなくなったことを潔く認め、新しく「信念」と「ビジョン」を持つ経営者を社外に求めることが最適解ではないだろうか。こういった新しい経営者が打ち出す改革は相当な痛みを伴うかもしれない、しかしその痛みを乗り越えなくては新しい再生は訪れない。
「新しい会社」の連載、日本の金融機関のトップはどのような思いで読んだのだろうか?是非、その答えを知りたいものだ。