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マネージメント


大学時代からの友人が上京してきたので銀座の秋田料理の店で夕食を共にした。

大学時代にはプロのバイクレーサーだった彼も某大手企業に就職して数年後、父親がオーナーをしている会社(とは言っても上場企業)に後継者として戻り、今では若手経営者として苦悩の日々を送っている。

彼の悩みは、今までオーナーである父親のカリスマ的指導力で企業は成り立っており、社員が皆自分で考える事をしない。部長、支店長クラスの上級管理者層も部下に対してビジョンを提示する事が出来ないといった事である。「想像力が足りないんだ」と彼は嘆く。今後5年間の経営のビジョンを描きながらも、それが前に進んでいかない苦悩である。

「組織はそんなにすぐには変らない、でも変えようとしなければ永遠に変らない」という話になった。何千人という人間の集団がそんなに短期間で方向転換できるとは思えない。だから経営をする者は我慢強くなくてはならない。とは言え悠長に構えていては置いていかれる。なんだかビッグバンを迎える日本の金融機関みたいな話になってきたなと笑ってしまった。

オーナーの息子として企業に放り込まれた彼の孤独さが痛いほど感じられる。

「もっと頻繁に会おうじゃないか。おまえが東京に来たときでも良いし、おれがそっちに行ってもいいからさ。」彼がどんな経営者になっていくのか彼にもわからないし私にもわからない。でもその過程で自分が多少なりとも役に立てればそれは友人として幸いな事である。