建設的な議論
November 26, 1997
皆さんは火事が起きて火の粉が目前に迫ってきたら何をするでしょうか?
まず誰が火元かを探すでしょうか?そんなことはしませんよね。焼け野原になる前に火事をストップして、それから火元が誰なのかを調べるというのが当たり前の対応です。火の手が迫っているときに誰が火元かという議論をしても意味が無いですから。
どうしてそんな当たり前のことを尋ねるのか。今金融市場への公的資金投入について議論されている内容がまさに、火を消す前に火元が誰なのかを調べることと同じだからです。確かに経営責任は追及されなくてはなりません。それはまず火を消してからすべきことでしょう。
企業はgoing concernとして成り立っているわけで、瞬間的に凍結されたらどんなに優秀な企業であろうとも動きが取れなくなります。アセットは痛んでいるとは言え何百億円オーダーの利益を生み出している企業が株式市場で追いつめられる状況は狂気以外の何物でもないです。
情報の非対称性に基づく混乱は現在株式市場で起こっていることです。まず市場を沈静化し、しかる後に確固たる決意でaccountabilityを確保するやり方がもっとも日本経済にとって痛手が少ない方法なのだと考えます。
現状が続いていけば、金融機関の融資引き締めに拍車がかかり、日本経済を流れる血液であるお金の流れを停滞させ、景気後退は相当深刻なものになるでしょう。今のまま行けば確実に多くの不動産業、ゼネコン、ノンバンクは遠からぬ将来に連鎖的に破綻を来すでしょうし、超優良企業を足元から支える下請けの中堅、中小企業の経営も相当厳しい状況に追い込まれることになるでしょう。これは言いたい放題のクレジットクランチでも書いた通り、現在の状況が発生する前から現実に起きていることですから。
こういったマクロ的な影響を公的資金導入の議論を行うマスコミの方々にも理解してもらいたいものです。それが先日の言いたい放題の本旨であったのですが・・・
昨日の「言いたい放題」は若干感情に流されてしまったようです。一日も早い市場の狂乱の沈静化を心より願うと同時に理性的で建設的な議論に基づく遅滞ないアクションが望まれます。